第六章④ 小口現金出納帳とは何か
小口現金出納帳
小口現金出納帳とは、小口係が小口現金を管理するための補助簿です。
小口現金を支払った内容ごとに分けて記帳します。
このことによって、補給と支払の明細を記録することができます。
定額資金前渡法(インプレスト・システム)を採用したとき、2つの記録方法があります。
1つは、補給を翌月(翌週)の初めに行う方法です。
つまり、4月分の小口現金を記録したとき、補給を5/1に行う方法です。
もう1つは、補給を月末(週末)に行う方法です。
これは、4月分の小口現金を記録したとき、 4/30に補給を行ったという場合です。
具体的に取引と小口現金出納帳への記入を見ていきましょう。
補給を翌月の初めに行う場合
4/1 定額資金前渡制度を採用するため、小口係に20,000円を渡した。
4/5 お茶代として、3,200円支払った。
4/10 事務用品として5,000円支払った。
4/20 郵便切手代として4,000円支払った。
小口現金出納帳
受入 | 日付 | 摘要 | 支払 | 内訳 | ||
通信費 | 消耗品費 | 雑費 | ||||
20,000 | 4/1 | 受入 | ||||
4/5 | お茶代 | 3,200 | 3,200 | |||
4/10 | 事務用品 | 5,000 | 5,000 | |||
4/20 | 切手代 | 4,000 | 4,000 | |||
合計 | 12,200 | 4,000 | 5,000 | 3,200 | ||
次月繰越 | 7,800 | |||||
20,000 | 20,000 | |||||
7,800 | 5/1 | 前月繰越 | ||||
12,200 | 本日補給 |
[小口現金出納帳の見方]
・受入欄
小切手を受入いれた時や、補給を受けた時にその金額を記入します。
・日付欄
日付の項目に取引が行われた日付を記入します。
・摘要欄
支払の内容を説明するための小書きを記入します。
・支払欄
支払った金額を記入します。
・内訳欄
支払った金額の内訳(種類)ごとに金額を記入します。
・合計
支払欄と内訳欄の合計金額を記入します。
・次月繰越
受入欄の金額から支払欄の合計額を差し引いた金額を記入します。
・受入欄の金額をそのまま記入します。
・前月繰越
翌月の1日の摘要欄に前月繰越と記入し、受入欄に次月繰越と同じ金額を記入する。
・本日補給
補給を翌月の初めに行った場合は、翌月の1日付きの摘要欄に「本日補給」と記入し、補給額を記入します。
補給を月末に行う場合
受入 | 日付 | 摘要 | 支払 | 内訳 | ||
通信費 | 消耗品費 | 雑費 | ||||
20,000 | 4/1 | 受入 | ||||
4/5 | お茶代 | 3,200 | 3,200 | |||
4/10 | 事務用品 | 5,000 | 5,000 | |||
4/20 | 切手代 | 4,000 | 4,000 | |||
合計 | 12,200 | 4,000 | 5,000 | 3,200 | ||
12,200 | 4/30 | 本日補給 | ||||
次月繰越 | 20,000 | |||||
32,200 | 32,200 | |||||
20,000 | 5/1 | 前月繰越 |
小口現金出納帳
基本的には「補給を翌月の初めに行った場合」と同じです。
・本日補給
補給は月末ですから、摘要欄に「本日補給」と記入し、月末の日付と補給額を記入します。
・次月繰越
補給後の金額を記入します。
・前月繰越
翌月の1日の摘要欄に前月繰越と記入し、受入欄に次月繰越と同じ金額を記入します。
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