第六章⑦ 伝票会計とは何か

仕訳帳から伝票会計へ

伝票とは、仕訳帳の代わりに取引を記入するものです。
取引が分かるメモ帳というイメージです。
多くの会社は「伝票から総勘定元帳へ転記」しています。

これを伝票会計といいます。
それでは、伝票とは何でしょうか。つぎにみていきましょう。

伝票は「入金伝票」・「出金伝票」・「振替伝票」の3つです。

伝票とは、たとえれば、ジクソーパズル個々の「パズル」です。
個々のパズルが組み合わさって、総勘定元帳に集計されます。
会社の取引は、すべてこの3つの伝票をつかったパターンで成り立っています。
つぎにこの3つの伝票を説明していきます。
つぎの仕訳と伝票の例をみていきましょう。

入金伝票とは何か

「入金伝票」とは、「現金」が入ってきたときに記入する伝票です。

「当座預金から現金100,000円を引き落とした」

仕訳はつぎのようになります。

借方貸方
現金  100,000当座預金  100,000

これを「入金伝票」では、つぎのようにあらわします。

入金伝票
当座預金 100,000

入金伝票は「借方」の現金が確定しています。
あとは相手勘定科目と金額を記入するだけです。
このため、入金伝票によって、仕訳帳を行うよりも作業の省略化を図ることができます。

出金伝票とは何か

「出金伝票」とは「現金」を支出したときに記入する伝票です。

「ペンや消しゴムの消耗品2,000円を購入し、代金は現金で支払った」

仕訳はつぎのようになります。

借方貸方
消耗品費  2,000       現金  2,000


これを「出金伝票」では、以下のようにあらわします。

出金伝票
消耗品費 2,000


出金伝票は「貸方」の現金は、確定しています。
あとは相手勘定科目と金額を記入すればよいのです。

振替伝票とは何か

「振替伝票」とは「入金伝票」「出金伝票」以外の取引を記入するものです。

備品を購入し、代金300,000円は翌月末に支払うことになった。仕訳はつぎのとおりです。

借方貸方
備品  300,000未払金  300,000

これを「振替伝票」では、以下のようにあらわします。

振替伝票
備品 300,000未払金  300,000


つまり、振替伝票に関してだけは、仕訳帳に記帳する場合と変わらないことになります。

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