第六章⑥ 商品有高帳とは何か

商品有高帳とは何か

商品を仕入れたのち、売り渡すまでの間は、しっかり商品の在庫管理をしなければなりません。
ここでいう在庫管理とは、仕入れた商品の価額評価の方法を意味します。
つまり、在庫商品の値段はいくらなのか、ということです。
この商品の在庫管理に役立つ帳簿が「商品有高帳」です。

まずは、次の[データ1]、[データ2]を使って、商品の在庫管理をみていきましょう。

 

[データ1]

商品の仕入れ実績

 

日付数量単価
4/110@100
4/1020@120
4/2010@80

 

[データ2]

商品の売上データ

 

日付数量単価
4/3030@200

 

ここで、一つの疑問が生まれます。仕入れた商品の数は、合計40個です。
しかし、仕入単価はバラバラです。
このため、在庫となる商品10個の単価をいくらにすればよいのか、判断ができません。
このため、売上原価や期末商品価額を決めるためのルールが必要になります。
会社が勝手に売上原価や期末商品価額を決めることはできません。
ここでは、基本的なルールである「先入先出法」「移動平均法」「後入先出法」3つを説明します。

 

先入先出法(さきいれさきだしほう)

 

先入先出法とは、先に仕入れた商品から先に売り上げた、と仮定して売上原価と期末商品価額を決まる方法です。
このケースでは、仕入れた商品のうち、先に仕入れた30個が、売り上がった、と仮定します。
このため、売れ残った在庫は、最後に仕入れた4/20日の分の10個となります。

わかりやすいように色分けすると青の部分が、売上原価、赤の部分が商品在庫分となります。

日付数量単価
4/110@100
4/1020@120
4/2010@80

 

[先入先出法の売上原価と期末商品]

売上原価  @100×10=1,000

      @120×20=2,400

     合計     3,600

期末商品  @80×10= 800

 

★先入先出法

 

商品有高帳

日付摘要受入払出残高
数量単価金額数量単価金額数量単価金額
4/1仕入101001,000   101001,000
4/10仕入201202,400   201202,400
4/20仕入1080800   1080800
4/30売上   101001,000   
     201202,400   
 合計40 4,20030 3,400   
 

次月繰越

   10 800   
5/1

前月繰越

1080800   1080800
           

 

仕入れた時にはその数量、単価、金額を受入に記入します。
売り上げた時にはその数量、単価、金額を払出に記入します。
注意点は、商品有高帳は商品の在庫を管理する為のもので、売上の時の売却価格は関係ないという事です。

 

移動平均法(いどうへいきんほう)

 

移動平均法とは、仕入れた商品の平均単価を計算し、売上原価と期末商品価格を決まる方法です。
平均単価をつかって、売上原価と期末商品を計算しますからどちらも同じ単価になります。

 

日付数量単価
4/110@100
4/1020@120
4/2010@80

 

平均単価計算式  (@100+@120+@80)÷3=@100

[移動平均法の売上原価と期末商品]

売上原価  @100×30=3,000

期末商品  @100×10=1,000

 

★移動平均法

 

商品有高帳

 

年月日摘要受入払出残高
数量単価金額数量単価金額数量単価金額
4/1仕入101001,000   101001,000
4/10仕入201202,400   301132,400
4/20仕入1080800   401054,200
4/30売上   301053,150   
 合計40 4,20030 3,150   
 次月繰越   101051,050   
5/1前月繰越101051,050   101051,050
           

 

 

[参考]

後入先出法(あといれさきだしほう)

後入先出法とは、あとから仕入れた商品から先に売り上げた、と仮定して売上原価と期末商品価格を決まる方法です。

仕入れた商品のうち、後から仕入れた30個が、売り上がった、と仮定しますから、売れ残った在庫は、最初に仕入れた4/1分の10個となります。

わかりやすいように色分けすると青の部分が、売上原価、赤の部分が商品在庫分となります。

日付数量単価
4/110@100
4/1020@120
4/2010@80

[後入先出法の売上原価と期末商品]

売上原価  @120×20=2,400

      @80×10= 800

       合計   3,000

期末商品  @100×10=1,000

★後入先出法

商品有高帳

年月日摘要受入払出残高
数量単価金額数量単価金額数量単価金額
4/1仕入101001,000   101001,000
4/10仕入201202,400   201202,400
4/20仕入1080800   1080800
4/30売上   1080800   
     201202,400   
 合計40 4,20030 3,200   
 

次月繰越

   10 1,000   
5/1

前月繰越

101001,000   101001,000
           

 

参考:商品有高帳[問題帳]

 

⑦「伝票制とは何か」を知る

投稿者プロフィール

伊達敦
伊達敦中小企業研修協会 代表 
東京都武蔵野市。
決算書の見方、経営分析などマネジメントに知悉している商社勤務の実務家。
統括責任者として全国3000社を超える販売店及び代理店の経営実態の把握、
経営指標の分析に辣腕を発揮した。
また霞が関の中央官庁との交渉窓口も担当する。
独創的な決算書解説や経営分析理論は、海外でも高く評価され、著書は海外でも翻訳されている。
商業高校で、簿記の基本を学び、大学で簿記理論を体系的にしっかり学んだ。
大学在学中は、会計学の大家、中村忠教授、飯野利夫教授から 指導を受けた。また、日本簿記学会会長だった安平昭二教授から簿記の帳簿組織に関する論点を直接指導を受けた貴重な経験を持つ。
おもな著書 「まだ若手社員といわれるうちに知っておきたい会社の数字」講談社刊。ほか、決算書、経営分析に関する本をぱる出版、実業之日本社からの全国出版実績あり。
中小企業研修協会代表。ファイナンシャルプランナー。
欅坂46、櫻坂46の大ファン。DVDをすべて揃えている。元欅坂46の佐藤詩織のファンであり、櫻坂46の推しメンは、関有美子。