第四章⑤ 負債グループの仕訳
負債グループの仕訳
「負債」グループの基本的な仕訳をみていきましょう。
負債グループのおもな勘定科目は、つぎのとおりです。
- 借入金(かりいれきん)
- 買掛金(かいかけきん)
- 支払手形(しはらいてがた)
- 未払金(みはらいきん)
- 預り金(あずかりきん)
負債グループの仕訳の基本ルール
負債の減少は、借方に記入します。負債の増加は、貸方に記入します。
借方 | 貸方 |
減少 | 増加 |
それでは、負債グループの基本的な仕訳を学んでいきましょう。
借入金(かりいれきん)の仕訳
銀行からお金を借りることがあります。
これを「借入金」といいます。借入金は、後日、返済しなければなりません。
【取引例1】 銀行から現金100万円を借り入れた。
借方 | 貸方 |
現金 1,000,000 | 借入金 1,000,000 |
借入金という負債が増加し、現金という資産が増加します。
負債の増加と資産の増加という組み合わせの仕訳です。
【取引例2】 銀行から借りていた借入金100万円を返済した。
借方 | 貸方 |
借入金 1,000,000 | 現金 1,000,000 |
借入金という負債が「減少」し、現金という資産が減少します。
負債の減少と資産の減少という組み合わせの仕訳です。
買掛金(かいかけきん)の仕訳
商品を仕入れ、代金が後日支払いとき「買掛金」を使用します。
このような商品の仕入れを「掛け仕入れ」といいます。
会社がおこなう取引は、基本的に信用取引です。
つまり、取引先を信用することが取引の大前提なのです。
掛け仕入は、典型的な信用取引といえます。
【取引例1】 商品を仕入れ、代金20万円は掛けとした。
借方 | 貸方 |
仕入 200,000 | 買掛金 200,000 |
仕入れという費用が発生します。これは、借方に記入します。
買掛金という負債が増加します。
費用の発生と負債の増加という組み合わせの仕訳です。
【取引例2】 買掛金20万円を現金で支払った。
借方 | 貸方 |
買掛金 200,000 | 現金 200,000 |
買掛金という負債が減少し、現金という資産が減少します。
負債の減少と資産の減少という組み合わせの仕訳です。
支払手形(しはらいてがた)の仕訳
支払手形とは、その名のとおり「手形で支払った」ときに使用します。
手形とは、「誰が、誰に、いつ、いくら支払うのか」が、くわしく書かれた証券です。
手形には、約束手形と為替手形の2つがあります。
実務においては、ほとんどが約束手形です。
約束手形とは、手形を出した人が支払うものです。
支払手形は、支払い期日に決済(現金化のこと)され、当座預金から引き落とされます。
【取引例1】 買掛金を約束手形20万円で支払った。
借方 | 貸方 |
買掛金 200,000 | 支払手形 200,000 |
買掛金という負債が減少し、支払手形という負債が増加します。
負債の増加と負債の減少という組み合わせの仕訳です。
【取引例2】 支払手形20万円が支払期日となり、当座預金から引き落とされた。
借方 | 貸方 |
支払手形 200,000 | 当座預金 200,000 |
「支払手形」は、支払期日に当座預金から引き落とされます。つまり、支払手形は減少します。
支払手形という負債の減少と当座預金という資産が減少します。
負債の減少と資産の減少という組み合わせの仕訳です。
【速攻!チェック問題・負債編】
次の仕訳をしなさい。
【問題】
【1】福島株式会社は、新潟株式会社から現金2,000,000円を借り入れた。
【2】福島株式会社は、新潟株式会社から借り入れていた2,000,000円を現金で返済した。
【3】備品を購入し、代金300,000円は、月末に支払うことにした。
【4】備品の代金未払い額300,000円を現金で支払った。
【解答】
【1】(借方)現金 2,000,000 / (貸方) 借入金 2,000,000
【2】(借方)借入金 2,000,000 / (貸方)現金 2,000,000
【3】(借方)備品 300,000 / (貸方) 未払金 300,000
【4】(借方)未払金 300,000 / (貸方)現金 300,000
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