第四章⑦ 収益グループの仕訳
目次
収益の発生は「貸方」、取消は「借方」に記入する
「収益」グループの基本的な仕訳をみていきましょう。
おもな収益グループの勘定科目を復習すれば、つぎのとおりです。
- 売上
- 受取利息
- 受取配当金
- 有価証券売却益
- 固定資産売却益
収益グループの仕訳の基本ルールはつぎのとおり。
「貸方」には、増加である「発生」、「借方」には減少である「取消」となります。
借方 | 貸方 |
取消 | 発生 |
収益グループは、増加とはいわず「発生」といいます。
減少するときは「取消」といいます。
売上(うりあげ)の仕訳
商品を売ったときは、「売上」を使用します。
ところで、世の中には、さまざまな会社があります。
いわゆる商品ばかりでなく、サービスを売っている会社も多く存在します。
警備をするセキュリティー業。掃除をする清掃業などです。
このようなサービスの提供も、もちろん売上となります。
商品20万円を売り上げ、代金は掛けとした。
借方 | 貸方 |
売掛金 200,000 | 売 上 200,000 |
商品を売ったときは「売上」となります。これは収益の「発生」です。
収益の発生は「貸方」になります。
一方、代金は現金で受け取りましたから資産の増加です。
資産の増加は「借方」となります。
売り上げた商品のうち、5万円分が品違いのため、返品された。
借方 | 貸方 |
売上 50,000 | 売掛金 50,000 |
商品が返品されたのですから、売上の「取消」です。
収益の取消は「借方」となります。
なお、取消の仕訳は、以前に行った仕訳の逆仕訳を行うことになります。
したがって、「貸方」には、売掛金が記入されます。
受取利息(うけとりりそく)の仕訳
銀行にお金を預ければ、利息がつきます。受け取った利息が「受取利息」です。
受取利息30,000を現金で受け取った。
借方 | 貸方 |
現金 30,000 | 受取利息 30,000 |
受取利息は、収益グループです。収益グループの発生は「貸方」となります。
有価証券売却益(ゆうかしょうけんばいきゃくえき)の仕訳
有価証券を売却し、儲けたときは、「有価証券売却益」になります。
100万円で購入した株券を売却し、代金120万円は現金で受け取った。
借方 | 貸方 |
現 金 1,200,000 | 有価証券 1,000,000 有価証券売却益 200,000 |
100万円で買った株券を120万円で売れば、20万円の利益が出ます。
これが「有価証券売却益」です。収益の発生となります。
なお、有価証券を売却したのですから有価証券は減少します。
有価証券は資産グループですから減少は、「貸方」となります。
※ 有価証券は、2級の出題範囲になります。
固定資産売却益(こていしさんばいきゃくえき)の仕訳
土地や建物、あるいは車両運搬具は「固定資産」といます。
この固定資産を売却したことによって、利益が出たときは、「固定資産売却益」であらわします。
1000万円で購入した土地を売却し、代金1500万円は現金で受け取った。
借方 | 貸方 |
現 金 15,000,000 | 土 地 10,000,000 固定資産売却益 5,000,000 |
1000万円で買った土地を1500万円で売れば、500万円の利益が出ます。
これが「固定資産売却益」です。収益の発生となります。
なお、土地を売却したのですから土地は減少します。
土地は資産グループですから減少は、「貸方」となります。
【速攻!チェック問題・収益編】
次の仕訳をしなさい。
【問題】
【1】岩手株式会社は、広島株式会社に商品200,000円を売り上げ、代金は掛けとした。
【2】山形株式会社は、現金で受取利息2,000円を受け取った。
【解答】
【1】(借方)売掛金 200,000 / (貸方) 売上 200,000
【2】(借方)現金 2,000 / (貸方)受取利息 2,000