第一章③ 勘定科目とは何か
勘定科目(かんじょうかもく)とは何か
簿記の「勘定科目」とは、英語の勉強で例えれば「英単語」のことです。
英語の勉強において、基本となるのが「英単語」です。
いくら主語や述語などの文法を覚えても、英単語そのものを知らなければ、
英語を理解することはできません。
はじめて、英語を勉強した頃のことを思い出してみてください。
地道に英単語を一つひとつ覚えたはずです。
英語を学んだ経験は、簿記を学ぶうえで、とても参考になります。
簿記において、英単語に相当するのが「勘定科目」です。
勘定科目とは「現金」や「借入金」のような「簿記の単語」になります。
簿記はこの「勘定科目」を基本として成り立っています。
英語と簿記の学習比較
英語の学習 | 簿記の学習 |
「英単語」を覚える | 「勘定科目」を覚える |
5つの勘定科目を知る
勘定科目は、大きく5つのグループに分けられます。
「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つです。
このうち「資産」「負債」「純資産」の3つは、会社の「財産」を知るために必要な勘定科目です。
そして「収益」「費用」の2つは、会社の「営業成績」を知るために必要な勘定科目です。
項目 | 勘定科目グループ |
会社の財産を知る | 資産、負債、純資産 |
会社の営業成績を知る | 収益、費用 |
簿記の5要素と貸借対照表、損益計算書
簿記の5つの要素は、貸借対照表を作成するグループである資産、負債、資本(純資産)と損益計算書を作成するグルー王である収益、費用に分けることができます。
□貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)
貸借対照表は、期末時点での、会社の財産がわかる会計書類です。
資産、負債、資本(純資産)がどれくらいあるのかを記載します。
貸借対照表
資産 | 金額 | 負債、純資産 | 金額 |
現金 | 20,000 | 買掛金 | 80,000 |
売掛金 | 40,000 | 借入金 | 200,000 |
受取手形 | 400,000 | 資本金 | 800,000 |
建物 | 800,000 | 繰越利益剰余金 | 200,000 |
計 | 1,280,000 | 計 | 1,280,000 |
□損益計算書(そんえきけいさんしょ)
損益計算書は、会社の営業成績を明らかにした会計書類です。
一会計期間に発生した収益と費用を記載し、収益と費用の差額を計算します。
差額がプラスなら儲かった、マイナスなら損失が出た、と判断できます。
損益計算書
費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
売上原価 | 800,000 | 売 上 | 1,400,000 |
給料 | 300,000 | ||
交際費 | 100,000 | ||
当期純利益 | 200,000 | ||
計 | 1,400,000 | 1,400,000 |
図解 貸借対照表と損益計算書
貸借対照表
資産 | 負債 |
資本(純資産) |
損益計算書
費用 | 収益 |
当期純利益 |
メモ帳【勘定科目】
簿記では、誰が処理をしても同じように処理ができるように考えられたルールがあります。
その一つが勘定科目です。
例えば、机、椅子です。
取引の処理をするによって、デスク、チェアなどと表現が異なっては、統一性がとれません。
このため、机、椅子は「備品」という勘定科目で、統一します。
また、ノート、ボールペンも、メモ用紙や筆記用具などというバラバラな表現では困ります。
このため、「消耗品費」というように統一化するわけです。
取引を処理するための決められた用語が「勘定科目」です。
勘定科目とは何か まとめ
- 簿記の勘定科目とは、英語学習でたとえれば「英単語」のことです
- 勘定科目は、5つの要素である資産、負債、純資産、収益、費用に分けられます
- 貸借対照表は、資産、負債、純資産の3つの勘定科目で作成されます
- 損益計算書は、収益、費用の2つの勘定科目で作成されます
第一章 簿記とは何か もくじ一覧