第一章① 簿記の基本を知る
簿記は、お金やモノの出入りを管理します
簿記とは「帳簿記入」の略です。
会社では、お金やモノの出入りがあったときは、必ず記録管理しなければなりません。
この記録管理する技術が、簿記です。
つまり、簿記によって、会社のお金やモノの出入りを正確に記録管理するのです。
会社は、かならずお金の入出金があります。
また、モノやサービスを買ったり、売ったりします。
このため、かならず簿記の技術が必要です。
簿記の技術で、どんな複雑な取引もきれいに管理することができます。
これは、上場されている巨大企業も、街の小さな個人商店もみな同じです。
すべての会社に必ず「簿記」が存在します。
簿記で「決算書」を作成します
簿記によって、お金やモノ、サービスの動きを正確に管理できる、ことはわかりました。
しかし、何のためにお金やモノ、サービスの動きを管理するのでしょうか。
それは、会社の「財産」や「もうけ」の状況を正確に知るためです。
会社は、財産状況やどれくらいもうけがあるのかを常に把握しておく必要があります。
これらを知るために作成されるのが、決算書です。
会社は、年に1回、決算書を作成します。
決算書は、大きく2つの種類があります。
貸借対照表と損益計算書です。
貸借対照表で「会社の財産」がわかります。
損益計算書で「会社のもうけ」がわかります。
つまり、簿記の知識がないと貸借対照表や損益計算書という決算書が作成できません。
言い換えれば、簿記の知識があれば、決算書を理解することができます。
このサイトで簿記を学ぶことで、会社の財産や会社のもうけについて理解できます。
しっかり学べば、簿記は、誰でも独学でマスターできます。
さらに、簿記を学ぶことで、身につくことがあります。
簿記で、経営感覚が身につく
ビジネスにおいて、人は大きく2つの立場に分かれます。
「経営者」と「働く人」です。
簿記は「経営者」側の視点でつくられたものです。
もっとも、わかりやすい例は、お給料に対する考え方です。
世の多くの人は、働いている社員の立場で、お給料を会社から「もらう」と考えます。
しかし、簿記では、経営者の立場で、お給料を社員に「支払う」と考えます。
つまり、経営者の視点に立っているのです。
簿記を学ぶことで、経営者としての資質、すなわち、経営感覚が身に着くことになります。
簿記で、コスト感覚が身につく
つぎの例を考えてみましょう。
たとえば、1000万円の売り上げに950万円のコストがかかれば、利益は50万円です。
一方、100万円の売り上げでもコストが20万円なら、利益は80万円になります。
「売り上げが大きければ、利益も大きくなる」とは、必ずしもいえません。
売上が大きくても、利益が小さい会社があります。
これとは反対に売上が小さくても、大きな利益が出ている会社もあります。
単純に売上げの大きさで、会社の業績を判断することはできません。
会社の業績の良し悪しを判断するには、売上げだけでなく、利益も考える必要があります。
簿記を学び「どのくらいの売り上げで、いくらのコストで、いくら利益になる」
というコスト感覚が、身につきます。
メモ帳【会計期間】
貸借対照表と損益計算書である財務諸表は、通常、年1回作成します。
この1年間のことを会計期間といいます。
会計期間の開始日は、期首(きしゅ)、終了日を期末(きまつ)、または、決算日といいます。
簿記の基本を知る まとめ
- すべての会社には。簿記がある
- 簿記とは「帳簿記入」の略です
- 簿記よって、決算書が作成されます
- 簿記で、経営感覚が身につきます
- 簿記で、コスト感覚が身につきます
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