小口現金とは何か

まず、読もう!【小口現金の説明】

会社では、日々、さまざまな経費の支出があります。
消しゴムやノートの購入はもちろん、社員の出張費や慶弔費などです。
このため、経理担当者が、ある程度の決まったお金を手もとにおきます。
これを「小口現金」といいます。
小口現金は現金と全く同じです。
しかし、仕訳の処理上、小口現金を設けるときは、現金と区別し「小口現金」勘定とします。

小口係と会計係との違い

小口現金制度では、小口現金を管理する人を小口係といいます。
小口係から支払報告を受けて、小口係に現金をわたす会社全体の資金管理をする人を会計係とします。

定額資金前渡法(インプレスト・システム)

定額資金前渡法とは、小口現金の金額をあらかじめ決め、毎月決まったお金を手元におく方法です。
このお金は、会計係から小口係に渡されます。
たとえば、毎月100,000円という一定額を小口現金とします。
経費75,000円を使用したとき、小口係から75,000円を補給してほしい、会計係に報告が入ります。
会計係は、小口係に75,000円渡すことで、小口資金が100,000円確保できるというわけです。

小口現金の仕訳

【会計係から小口係へ資金を渡す】

小口現金として、会計係は、小口係に小切手を振り出し、100,000円を渡した。

借方貸方
小口現金   100,000   当座預金  100,000

(注)小口現金制度では、仕訳をするのは、あくまで会計係です。小口係が交通費などの諸経費を支払っても仕訳はありません。

【小口係から会計係へ報告があった】

小口係から会計係へ、今月の支払い明細書について、下記の通り報告があった。
交通費 50,000円 通信費 30,000円 雑費 5,000円

借方貸方
                   交通費          50,000          
                通信費           30,000         
        雑  費          5,000
        小口現金 85,000

【小口現金を補給する】

小口現金85,000円を小切手を振り出して補給した。

借方貸方
小口現金 85,000当座預金 85,000

メモ帳 【定額資金前渡法】 

定額資金前渡法の流れは、以下のようになります。
ながれをイメージすると、理解しやすいと思います。仕訳をおこなうのは、会計係です。

【1】会計係から小口係へ資金を渡す。(仕訳あり)
【2】小口係が各社員の経費を支払う(仕訳なし)
【3】小口係が会計係に支払った経費の報告をする(仕訳なし)
【4】会計係が支払った経費分を補充し、小口係へ資金を渡す(仕訳あり)

図解すれば、以下の通りです。

【1】 □会計係 → □小口係

【2】        □小口係  → □各社員

【3】 □会計係 ← □小口係

【4】 □会計係 → □小口係

【現金預金編】