手形とは何か

まず、読もう!【手形編】

手形とは、決められた支払期日に決められた金額を支払うことを約束した証券のことをいいます。
手形には、約束手形と為替手形の2つがあります。
簿記3級では、約束手形を紹介します。

手形取引とは、現金の授受がなくても取引先との売買が成り立つ取引のことです。
そして、手形取引には、大前提があります。
取引先との信頼・信用できる関係が成り立っていなければならない、ということです。

メモ帳【手形の用語】

手形を相手に渡すことを手形の振り出しといいます。
また、手形金額が、支払期日に支払われることを決済といいます。

メモ帳【手形の登場人物】

約束手形の利用にあっては、振出人(ふりだしにん)と名宛人(なあてにん)の2者が存在します。
振出人は、約束手形を作成した人、名宛人は、約束手形を受け取った人です。
名宛人を受取人ともいいます。

振出人(手形を作成する人)   →  名宛人(手形を受け取る人)

手形取引とは

手形取引をイメージしてみましょう。

あなたの会社は、今、仕入先であるA社から1,000万円の商品を仕入れたいと考えています。
でも、今、あなたは、1,000万円の現金がありません。
しかし、30日後には、得意先B社から売掛金代金3,000万円が入金する予定です。
仕入先であるA社が手形での支払いを了承すれば、60日後に支払いを約束する手形を発行できます。
30日後には、3,000万円の入金があるわけですから、60日後の1,000万円の支払いに問題はありません。

手形取引が、取引先との信頼・信用関係が大前提という意味がわかると思います。
そもそもA社が手形での代金支払いを拒否すれば、売買が成り立たないからです。

約束手形を受け取ったときの仕訳

それでは、手形取引の「約束手形」についてみていきましょう。
約束手形とは振出人と名宛人の間で約束する手形の取引です。
したがって、約束手形に関する登場者は2人ということになります。

仕訳のポイントは2つです。

約束手形を受け取った時

商品100,000円を売り上げ、代金は約束手形で受け取った。

借方貸方
受取手形 100,000 売上 100,000

約束手形を受け取ったのですから借方に「受取手形」を仕訳することになります。

手形代金が入金されたとき

受け取っていた約束手形が、支払期日となり、取引銀行より当座預金に口座に入金があった旨、通知があった。

借方貸方
当座預金 100,000受取手形 100,000

約束手形を支払ったときの仕訳

商品80,000円を仕入れ、代金は約束手形で支払った。

借方貸方
仕入  80,000支払手形 80,000

約束手形で支払ったので、貸方に「支払手形」を仕訳することになります。

【手形と電子記録債権(債務)編】