材料費の消費数量の計算
消費数量の計算
材料費の消費計算には、大きく2つの方法があります。
継続記録法と棚卸計算法です。
継続記録法は、材料の購入や消費のつど、帳簿に継続して記録する方法です。
棚卸計算法は、そのつど、継続して記録するようなことはしません。
購入数量と月末実地棚卸数量との差によって、当月の消費数量を計算する方法です。
材料の棚卸減耗
材料が、帳簿棚卸数量よりも実地棚卸数量が少ないことがあります。
入出庫の際などに喪失することがあるためです。
これを棚卸減耗といいます。棚卸減耗によって生じた減少額を棚卸減耗費といいます。
□材料費の予定消費単価を用いた場合
材料費の購入単価に実際単価を用いず、あらかじめ決められた消費単価、
つまり予定消費単価を用いることが認められています。
理由の一つとして、製品の原価計算は、1か月で行われるため、実際単価を集計していては、
市場動向に敏感に反応した原価を管理できないからです。
・予定消費単価を用いた材料費の計算
材料費(予定消費額)=予定消費単価×実際消費量
[例題1]
材料1000個、直接材料を消費した。予定消費単価は@500円である。
借方 | 貸方 |
仕掛品 500,000 | 材料 500,000 |
予定消費単価を用いても、実際単価は計算します。
そうしないと実態に即した原価管理ができないからです。
それでは、どのようにチェックすべきでしょうか。
このことは、材料勘定を使ってみるとわかりやすくなります。
[例題1]に基づいた材料勘定の記載は、つぎのとおりです。
貸方に予定材料費の金額500,000円を記載します。
材料
予定消費額 500,000 |
月末において、実際消費額を計算したところ、520,000円だったとします。
これを借方に520,000円と記載します。
材料
実際消費額 520,000 | 予定消費額 500,000 |
このケースは、実際消費額と予定消費額とに20,000円の差額が生じたことになります。
この差額は、「材料消費価格差異」で処理します。
つまり、実際消費額と予定消費額との差額は、価格の違いから生じたわけです。
[仕訳]
借方 | 貸方 |
材料消費価格差異 20,000 | 材 料 20,000 |
材料勘定は、以下のようになります。
材料
実際消費額 520,000 | 予定消費額 500,000
材料消費価格差異 20,000 |
材料消費価格差異勘定は、以下のようになります。
材料消費価格差異
材料 20,000 |