労務費とは何か
労務費とは何か
労務費とは、工場で、製品を製造するために働く人たちのために支払うコストです。
工員とは何か
工場で製品の製造にかかわっている働くひとたちを工員といいます。
いわゆるライン工です。
工員は、大きく直接工と間接工に分けられます。
区分内容は、つぎのとおりです。
工員の区分 | 内 容 |
直 接 工 | 製品の製造に直接かかわる工員 |
間 接 工 | 機械の保守、製品運搬等、製品の製造に直接かかわらない工員 |
労務費一覧
おもな労務費勘定の一覧と内容はつぎのとおりになります。
項 目 | 内 容 |
賃金 | 工員に支払われる給与 |
給料 | 工場で働く事務職員等、工員以外に支払われる給与 |
法定福利費 | 健康保険料、雇用保険など |
さらに労務費は、製造する製品との関係によって、直接労務費と間接労務費に区分されます。
労務費区分 | 内容 |
直接労務費 | 製品の製造にかかった労務費を直接的に把握できる労務費 |
間接労務費 | 製品の製造にかかった労務費を間接的にしか把握できない労務費 |
具体的には、直接労務費と間接労務費は、以下のようになります。
項目 | 内容 |
賃金(直接工) | 直接労務費 |
賃金(間接工) | 間接労務費 |
給料 | |
法定福利費 |
労務費の仕訳
[仕訳例] 賃金200,000円から所得税5,000円を控除した残額を現金で支払った。
借方 | 貸方 |
賃金 200,000 | 預り金 5,000 現金 195,000 |
・直接工の仕訳例
直接工の賃金のうち、直接作業にかかる金額は、仕掛品勘定に振り替えます。また、間接作業にかかわる金額は、製造間接費勘定に振り替えます。
直接工の消費額は、200,000円。
実際作業時間100時間(直接作業時間80時間,間接作業時間20時間)である。
借方 | 貸方 |
仕掛品 160,000 製造間接費 40,000 | 賃金 200,000
|
参考
消費賃率 200,000円÷100時間=2,000円
直接工 2,000円×80時間 =160,000円
間接工 2,000円×20時間 = 40,000円
・間接工の仕訳例
間接工の賃金は製造間接費勘定に振り替えます。間接工の賃金消費額は、100,000円です。
借方 | 貸方 |
製造間接費 100,000 | 賃金 100,000 |
・予定賃率を用いた労務費の計算
労務費(予定賃金消費額)=予定賃率×実際作業時間
[例題 1]
直接工の賃金消費額を予定賃率(@1.100円)で計上する。 直接工の実際作業時間は、200時間であった。
借方 | 貸方 |
仕掛品 220,000 | 賃金 220,000 |
予定賃率を用いても、実際賃金は計算します。そうしないと実態に即した原価管理ができないからです。それでは、どのようにチェックすべきでしょうか。
それは、賃金勘定を使ってみるとわかりやすくなります。
例題1に基づいた賃金料勘定の記載は、つぎのとおりです。
賃金
予定賃金消費額 220,000 |
月末において、実際賃金消費額が、250,000円だったとします。
賃金
実際賃金消費額 250,000 | 予定賃金消費額 220,000 |
このケースは、実際消費額と予定消費額とに30,000円の差額が生じました。
この差額は、「賃率差異」で処理します。
つまり、実際消費額と予定消費額との差額は、賃金単価の違いから生じたものと判断できるわけです。
仕訳
借方 | 貸方 |
賃率差異 30,000 | 賃金 30,000 |
賃金
実際賃金消費額 250,000 | 予定賃金消費額 220,000 賃率差異 30,000 |
賃率差異
賃金 30,000 |