第二章② 「資産グループ」とは何か
「資産グループ」とは何か
資産は、貸借対照表を作成する勘定科目の一つです。
貸借対照表
資産 | 負債 |
純資産 |
資産について、具体的にみていきましょう。
わたしたちは、たくさんの「自分のモノ」を持っています。
洋服はもちろん、時計やくつ、あるいは、車やバイク。
さらにマイホームやマンションを持っている人もいるでしょう。
これらは、いずれもわたしたちの「資産」です。
簿記の「資産」も、私たちが持っている「資産」をイメージすれば、 基本的にはほぼ同じです。
「資産」グループの勘定科目をみていきましょう。
「資産グループ」のおもな勘定科目と内容はつぎのとおりです。
・現金
わたしたちが、毎日つかっている紙幣や硬貨である「現金」。
さらに小切手を受け取ったときも「現金」として扱います。
小切手は、すぐに現金にするからです。
・当座預金
銀行の「当座預金」をつかったときに使用します。
また「小切手」で支払いをするときは、当座預金から引き落とされます。
小切手で支払うことを「小切手を切る」あるいは、「小切手を振り出す」という表現を使います。
ビジネス用語として定着しているので、ぜひ覚えておきましょう。
・普通預金
銀行の「普通預金」をつかったときに使用します。
普通預金にお金を預けた、あるいは、普通預金からお金を引き落としたときに使用します。
・売掛金
お客さんへ商品を売り、その代金がまだ回収されていないときに使用します。
会社間の取引は、すぐに商品の代金を回収できるケースが少ないのが実状です。
ふつうは、あとから商品代金を受け取ることになります。
このような商品の売買を「掛(か)け売り」といいます。
・受取手形
約束手形や為替手形を受け取ったときに使用します。 実務の世界ではほとんどが約束手形です。
約束手形とは、支払人が、約束手形に記載された金額を支払日に受取人に支払う証券です。
・貸付金
取引先などへお金を貸したときに使用します。
・未収入金(未収金)
商品の売上以外の代金をまだ受け取っていないときに使用します。
たとえば、株券を売却したときの代金の未収金などに使用します。
なお、未収入金は、未収金という勘定科目で処理することもあります。
・前払金
商品を注文したときに内金や手付金を支払ったときに使用します。
・仮払金
現金などで支払ったが、その内容や金額が未確定のものは、一時的に仮払金を使用します。
・繰越商品
決算日の商品の在庫です。つまり、売れ残った商品に使用します。
・備品
会社の机・イス・パソコンあるいはコピー機やfax機などに使用します。
・建物
自社ビルや倉庫などを建てたときに使用します。
・土地
会社で土地や駐車場などを購入したときに使用します。
・車両運搬具
会社で使用する車の購入などに使用します。
メモ帳【資産】
資産をイメージしましょう。
資産とは、会社にとって、あると心強いもの、とイメージするとわかりやすいかも知れません。
「現金」や「当座預金」は、会社にとって、あると非常に心強いものです。
売掛金や受取手形も近い将来、現金化されるので、心強くなります。 また、土地や建物もそうです。
資産とは、会社にとって、あると心強いもの、と考えるとイメージしやすいと思います。
【速攻!チェック問題・資産編】
次の勘定科目のうち、資産勘定をチェックしなさい。
【勘定科目】 | チェック欄 |
現金 | |
売掛金 | |
建物 | |
借入金 | |
売上 |
【解答】 資産勘定は現金、売掛金、建物です。
資産とは何か ページのまとめ
- 簿記の「資産」は、私たちが日常で使う「資産」とほぼ同じである
- 簿記の資産は、現金、当座預金、売掛金、備品、建物などがある
第二章 会社の財産は、貸借対照表でわかる もくじ一覧