初級原価計算⑨ CVP分析とは何か
CVP分析とは何か
利益計画では、原価(cost),営業量(volume),利益(profit)の関係を分析します。
これを「CVP分析」といいます。
貢献利益率とは何か
売上高に対する貢献利益の割合を「貢献利益率」といいます。
貢献利益率の計算式は、つぎのとおりです。
貢献利益率(%)=貢献利益÷売上高
損益分岐点の売上高とは何か
「損益分岐点の売上高」とは、売上高と費用の額がちょうどゼロになる売上高のことです。
売上高と費用の額がちょうどゼロということは、利益も損失も出ない状況です。
すなわち、損益分岐点の売上高とは、利益がゼロの売上高のことです。
言い換えると、
損益分岐点の売上高とは、貢献利益と固定費が同額のときの売上高です。
【試験でよく出題されます】
下記は、損益分岐点の売上高のデータ表です。
損益分岐点の売上高
項目 | 金額 | 構成比率 |
売上高 | 1,000 | 100% |
変動費 | 800 | 80%(800÷1,000) |
貢献利益 | 200 | 20%(200÷1,000) |
固定費 | 200 | |
営業利益 | 0 |
【解説】
下記のデータから損益分岐点の売上高を求めましょう。
損益分岐点の売上高の計算には公式があります。
貢献利益と固定費の金額が一致しています。
このため、営業利益が0円になります。
さらに貢献利益率をつかった、公式によって、損益分岐点の売上高を計算することができます。
損益分岐点の売上高=固定費÷貢献利益率
上記の検算をしてみましょう。
固定費 200 ÷ 貢献利益率 20% = 1,000
【虎の巻/メモ帳】
身近例で、損益分岐点の売上高をイメージしてみましょう。
あなたは、毎日、バスで出社するとします。
一日の乗車料が、片道250円、往復500円とします。
1ヵ月の定期券代は、1ヵ月10,000円です。
このとき、採算がとれる利用日数は、何日でしょうか?
ざっくり、計算してみましょう。
定期券10,000円÷500円=20日
この計算から、通勤日数が20日なら、あなたは、定期券を購入しても、毎日、乗車券を購入しても、同じ金額を通勤費として支払うことになります。
しかし、20日の出勤日数を超え、かりに21日だとすると、つぎのような計算になります。
毎日の乗車券代(往復) 500円×21日 =10,500円
1ヵ月の定期券代 10,000円
この比較からわかるように、毎日の乗車券を購入するか?定期券を購入するか?は、出勤日20日が線引きになることがわかります。
この20日という損益分岐点の売上高の知識を知ることで、日常生活に応用することができます。
目標営業利益を確保する売上高の求め方
損益分岐点の売上高の計算式を使って、「目標営業利益を確保するための売上高」を計算することができます。
目標営業利益を確保するための売上高は、以下の計算式で求めることができます。
(固定費+目標営業利益)÷貢献利益率
目標営業利益を獲得する売上高
項目 | 金額 | 構成比率 |
売上高 | 2,000 | 100% |
変動費 | 1,600 | 80%(800÷1,000) |
貢献利益 | 400 | 20%(200÷1,000) |
固定費 | 200 | |
目標営業利益 | 200 |