正常仕損と評価損とは何か

仕損とは何か

仕損とは、製品製造の過程で、失敗し、不良品(仕損品)が生じることです。
減損とは、製品製造の過程で、原材料が消滅してしまうことです。
液体状の原材料が、投入されてからある程度、蒸発してしまうことを考えるとイメージしやすいでしょう。

正常仕損と異常仕損

 

製品を製造するうえで、ある程度の仕損品(不良品)が発生することは仕方がありません。
しかし、通常発生するレベルを超えた仕損品とは区分して管理しなければなりません。

 

仕損品正常仕損通常発生するレベルの不良品
異常仕損通常発生するレベルを超えた不良品

 

正常仕損品は、製品を製造するうえで、不可避な原価と考えます。
このため、良品に負担させることになります。

 

仕損のある原価計算

 

具体的に例題をつかって、見ていきましょう。

 

[例] つぎの資料にもとづき、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。

なお、月末仕掛品の計算は、平均法による。

 

生産データ

月初仕掛品200(40%)
当月投入1,200
合計1,400
正常仕損100
月末仕掛品200(50%)※
完成品1,100

 

※   (   )は、加工進捗度。

材料はすべて、工程の始点で投入している。     仕損は、工程の終点で発生したもので、すべて正常仕損である。

 

原価データ

直接材料費加工費
月初仕掛品200,000156,000
当月投入量486,000390,000

 

直接材料費

直接材料費数量金額
月初仕掛品200200,000
当月投入         1,200486,000
合計1,400686,000
月末仕掛品20098,000
正常仕損1000
完成品1,100588,000

 

加工費

加工費数量金額
月初仕掛品80156,000
当月投入     1,220390,000
合計1,300546,000
月末仕掛品10042,000
正常仕損1000
完成品1,100504,000

 

完成品総合原価  588,000+504,000=1,092,000

月末仕掛品原価  98,000+42,000=  140,000

[参考] 正常仕損は、金額的な損失はないと判断します。
これは、製造過程において、想定した範囲内であることと無縁ではありません。
このため、その数量のみを減少させ、完成品の金額が計算されます。

 

仕損品に評価額がある場合

仕損品は、不良品ですから本来、価値はありません。
しかし、一部、売却する価値がある仕損品も存在します。
たとえば、材木を材料とする工場で、一部仕損品となった材木が、市場価値があり売買できる場合があります。
暖炉用の薪として使用されるというのは好例でしょう。
このようなケースは、仕損品に評価額があるということになります。

 

具体的に例題をつかって、見ていきましょう。

 

[例] つぎの資料にもとづき、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。

なお、月末仕掛品の計算は、平均法による。仕損品の評価額は、15,000円であり,主に直接材料の価値である。

 

生産データ

月初仕掛品200(40%)
当月投入1,200
合計1,400
正常仕損100
月末仕掛品200(50%)※
完成品1,100

 

※   (   )は、加工進捗度。

材料はすべて、工程の始点で投入している。    仕損は、工程の終点で発生したもので、すべて正常仕損である。

 

原価データ

直接材料費加工費
月初仕掛品200,000156,000
当月投入量486,000390,000

 

直接材料費

直接材料費数量金額
月初仕掛品200200,000
当月投入    1,200486,000
合計1,400686,000
月末仕掛品20098,000
正常仕損10015,000
完成品1,100573,000

 

加工費

加工費数量金額
月初仕掛品80156,000
当月投入     1,220390,000
合計1,300546,000
月末仕掛品10042,000
正常仕損1000
完成品1,100504,000

 

完成品総合原価  573,000+504,000=1,077,000

月末仕掛品原価   98,000+42,000=  140,000

 

[参考] 正常仕損品は、評価額が15,000円であるため、直接材料費によって、原価から差し引かれています。