決算整理 費用と収益の繰り延べ/費用と収益の見越し

決算整理  費用と収益の繰り延べ

来期の分も支払ったら、どうする?


当期に来期分の費用も含めて支払うケースがあります。
火災や地震に対する保険料の支払いは、代表的な例です。

[取引] 8月に保険料1年分 12,000円を現金で支払った。

このときの仕訳は、つぎのとおりです。 

 

    借 方貸 方 
 保険料 12,000現 金 12,000 

 

3月決算の場合、支払った保険料12,000円は、当期分と来期分を含めて支払ったことになります。

 

 期   間金 額
 当期分の保険料 (8月から3月までの8カ月) 8,000円
 来期分の保険料 (4月から7月までの4カ月) 4,000円

 

このため、来期分である4,000円は、決算整理で取り消し仕訳する必要があります。
費用グループの仕訳ルールは、つぎのとおりでした。

 

  借 方貸 方 
 発生取消 

 

このため、保険料に関する決算整理仕訳は、つぎのようになります。

 

 借 方貸 方 
 前払保険料 4,000保険料 4,000 

 

来期分の保険料である4,000円を決算整理で取り消すわけです。

このように当期に支払った費用を来期分へと整理する決算整理を「費用の繰り延べ」といいます。
なお、前払保険料は、資産グループになります。 

 

来期の分も受け取ったら、どうする? 

 

当期に来期分の収益も受け取るケースがあります。

他社に土地を貸している場合などの受取地代は、代表的な例です。

[取引] 

2月に受取地代3カ月分[2月・3月・4月]300,000円を現金で受け取った。

 このときの仕訳は、つぎのとおりです。 

 

    借 方貸 方 
 現 金 300,000受取地代 300,000 

 

3月決算の場合、受け取った300,000円は、当期分と来期分を含めて受け取ったことになります。

 

 期   間金 額
 当期分の保険料 (2月と3月の2カ月分) 200,000円
 来期分の保険料 (4月の1カ月分) 100,000円

 

このため、来期分である100,000円は、当期分から取り消しする必要があります。

収益グループの仕訳ルールは、つぎのとおりでした。

 

 借 方貸 方 
 取消発生 

 

このため、受取地代に関する決算整理仕訳は、つぎのようになります。

 借 方貸 方 
 受取地代 100,000前受地代 100,000 

 

来期分の受取地代である100,000円を決算整理で取り消すわけです。

このように当期に受け取った収益を来期分へと整理する決算整理を「収益の繰り延べ」といいます。
なお、前受地代は、負債グループになります。 

決算整理仕訳 費用と収益の見越し

 

当期に支払うべき費用を計上する

 

まだ、支払っていないが、当期に計上すべき費用があります。
銀行からの借入にともなう支払利息は、その代表的なケースです。 

[取引]  2月に銀行から1,000万円を借り入れた。 借入期間は、6カ月。

借入金にともなう支払利息60,000円は、借入金の返済月の7月にまとめて支払う。

このときの仕訳は、つぎのとおりです。

 

 借 方貸 方 
 現金 1,000,000借入金 1,000,000 

 

注意点は、まだ、支払利息を支払っていないことです。つまり、仕訳をしていません。
この仕訳は、決算整理でおこないます。

 

3月決算の場合、支払利息60,000円は、つぎのように分けることができます。

 

 期  間 金 額 
 当期の支払利息(2月から3月までの2カ月) 20,000円
 来期の支払利息(4月から7月までの4カ月) 40,000円

 

決算整理で、仕訳していない当期分の支払利息20,000円を計上する必要があります。
支払利息に関する決算整理仕訳は、つぎのようになります。

 

 借 方貸 方 
 支払利息 20,000未払利息 20,000 

 

まだ、支払っていない当期に計上すべき費用を「費用の見越し」といいます。
なお、未払利息は負債グループになります。 

 

当期に受け取るべき収益を計上する

収益にも見越しがあります。 たとえば、受取利息です。

7月に受け取るべき6か月分[2月~7月まで]9,000円の受取利息をまだ受け取っていないケースを考えてみましょう。

3月決算の場合、受取利息9,000円は、つぎのように分けることができます。  

 期  間 金 額 
 当期の受取利息(2月から3月までの2カ月) 3,000円
 来期の受取利息(4月から7月までの4カ月) 6,000円

 

※ 9,000÷6カ月=1,500(1カ月の利息)

  当期分 1,500×2カ月=3,000 (1月から3月まで)

  来期分 1,500×4カ月=6,000 (4月から6月まで) 

 

決算整理仕訳はつぎのとおり。

 

 借方貸方 
 未収利息 3,000受取利息 3,000 

 

このようにまだ受け取っていない当期に収益計上すべきものを「収益の見越し」といいます。
なお未収利息は「資産グループ」になります。

 

参考:決算整理:前払、未払[問題編]

さらに精算表について知る