第一講座 簿記を知ろう

プレビュー

簿記とは何か

まず、第一講座では、簿記を学ぶことで、ビジネスでどのように活かせるかを紹介します。
簿記の有意義さを知ってください。

 

 

すべての会社に「簿記」がある。

 

わたしたちは、病院でレントゲン検査をすることがあります。
これは、からだの内部をくわしく知るためです。
レントゲン撮影によって、骨格やその他の機能に問題がないか、を知ることができます。

からだのつくりは、大きい人も小さい人も基本的にみな同じです。

もし、仮にレントゲン検査で、会社という組織をみることができれば、「簿記」が見えてきます。
これは、上場されている巨大企業も、街の小さな個人商店もみな同じです。

すべての会社には、必ず簿記が存在します。

 

簿記は会社の「お金を管理する」こと

 

簿記とは、「帳簿記入」の略です。
これは、お金がかかわる取引を帳簿に記入することを意味します。
簿記によって、会社のお金の動きが正確にわかります。
会社は、かならずお金を使います。
このため、かならず簿記が存在するのです。
簿記の技術があれば、どんな複雑な取引も、きれいにシンプルに処理することができます。

 

 

簿記によって「決算書」はつくられる

会社は、年に1回、決算書を作成します。

決算書とは、1年間の会社の「財産」や「もうけ」を集計した会計資料です。
決算書は、大きく2つの種類があります。

会社の「財産」がわかる「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」と
会社の「もうけ」がわかる「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」です。

この決算書は簿記によって作成されます。

会社を経営していくためには、今、どれくらいの財産があり、借金はいくらあるのか。
また、いくらの「もうけ」があるのか。
あるいは、損をしているのか、を常に知っておく必要があります。

決算書は、経営判断のために、非常に大切なものです。

さらに、会社を取り巻くさまざまな取引先にとっても決算書は大切な資料です。
銀行の融資の是非は、決算書を参考に判断されますし、法人税などの税金は、決算書に基づいて、決定されます。
新しく取引をはじめるにあたっては、決算書はその会社を知る重要な参考資料となります。

このように決算書は、会社にとってなくてはならない重要なものです。

 

簿記で身につく3つのこと

簿記を学ぶことで、ビジネスで大切な3つのことが身につきます。

 

その1 経営感覚が身につく

 

ビジネスにおいて、人は大きく2つの立場に分かれます。

「経営者」と「働く人」です。

簿記は「経営者」側の視点でつくられたものです。
もっとも、わかりやすい例は、お給料に対する考え方です。
世の多くの人は、サラリーマンの立場で、お給料を会社から「もらう」と考えます。
しかし、簿記では、経営者の立場で、お給料を社員に「支払う」と考えます。
つねに、経営者の視点に立っているのです。
このため、簿記を学ぶことで、知らず知らずのうちに管理職としての資質、すなわち、経営感覚が身に着くことになります。

 

 

その2 コスト感覚が身につく

モノやサービスを売るためには、さまざまなコストがかかります。
コストとは、モノやサービスを売るためにかかる必要経費と考えて下さい。
たとえば、車を売る販売店を考えてみましょう。
販売店は、車をメーカーから仕入れなければ、車を売ることができません。
この車を仕入れる代金がコストです。

 

つぎの例を考えてみましょう。

たとえば、1000万円の売り上げに950万円のコストがかかれば、利益は50万円です。
一方、100万円の売り上げでもコストが20万円なら、利益は80万円になります。

このことから

「売り上げが大きければ、利益も大きくなる」

とは、必ずしもいえません。

売上が大きくても、利益が小さい会社があります。
これとは反対に売上が小さくても、大きな利益が出ている会社もあります。
単純に売上げの大きさで、会社の業績を判断することはできません。
会社の業績の良し悪しを判断するには、売上げだけでなく、利益も考えなければなりません。

簿記を学ぶことで

「どのくらいの売り上げで、コストはいくらかかり、このため利益はいくらになる」

というコスト感覚が、身につきます。

 

その3 決算書を読むことが身につく

 

簿記の最終的なゴールは「決算書」の作成です。
(初級講座では、試算表の作成までになります)
決算書である貸借対照表や損益計算書は、簿記がなければ作成することができません。
このことは、簿記によって、決算書をくわしく理解できることを意味します。
決算書をつかって、会社をさまざまな視点から分析することを「決算書を読む」といいます。
つまり、簿記を学ぶことで「決算書を読むこと」が身につくことになります。

 

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