為替手形とは何か

為替手形とは3人の間で約束する手形の取引です。したがって、約束手形に関する登場者は3人ということになります。為替手形の最大のポイントは、為替手形を振り出した人に手形の仕訳が行われないことです。

 

為替手形の発行には前提条件がある

為替手形に関する取引が苦手な人は、ほとんどが、為替手形の取引には前提条件があることを見落としています。ここで、しっかりマスターしましょう。

為替手形の前提条件とは、以下の3つです。

・振出人(為替手形を作成する人)は、他の2人に対してそれぞれ「売掛金」と「買掛金」を持っている。

・引受人(為替手形の支払人)は、振出人に対して、「買掛金」がある。つまり、振出人に対する借金があると考えればよいでしょう。

・指図人(為替手形の受取人)は、振出人に対して「売掛金」がある。つまり、振出人に対してお金を払ってください、と請求する権利を持っていると考えてください。

この前提条件を理解して為替手形の取引を仕訳しなければなりません。

それでは、つぎに典型的な為替手形の取引をみていきましょう。

 

為替手形を受け取った時

このときは、借方に「受取手形」を仕訳します。

この点は、約束手形と全く同じです。

借方 貸方
受取手形

 

[例]売掛金100,000円の代金の回収のため、為替手形を受け取った。

借方 貸方
受取手形 100,000 売掛金 100,000

 

為替手形を受け取ったのですから借方に「受取手形」を仕訳することになります。

 

為替手形を引き受けた

表現に注意してください。為替手形を引き受けるのです。つまり、支払手形で支払うことを了承するという意味です。このときは、貸方に「支払手形」を仕訳します。

借方 貸方
支払手形

 

[例]買掛金のあるA社より、為替手形80,000円の引受を求められたので、これを引き受けた。

借方 貸方
買掛金  80,000 支払手形 80,000

為替手形の支払いを引き受けたのですから貸方に「支払手形」を仕訳することになります。

そして、最後に為替手形を振り出した人(為替手形の作成人)の仕訳です。

 

為替手形を振り出した時

為替手形の振出人に手形に関する仕訳はありません。

なぜなら、為替手形の振出人は、他の2人に振出人が持っている「買掛金」と「売掛金」を相殺するように手続きをするだけだからです。したがって、振出人は、買掛金と売掛金のそれぞれの減少の仕訳をすることになります。

 借方 貸方
 買掛金 売掛金

 

[例]A社は、B社の買掛金を支払うため、C社を名宛人(支払人)とする為替手形30,000円を振り出し、C社の引き受けを得た。この為替手形をB社に渡した。

借方 貸方
買掛金  30,000 売掛金 30,000

 

初学者は、やや難しいかも知れません。為替手形は、登場する3者の立場、前提条件を整理して考えることが大事です。

所有する約束手形や為替手形は、支払い期日前に他の会社に譲渡することができます。譲渡するという意味は、支払い代金として、譲り渡すということです。約束手形や為替手形を使った、支払いというわけです。

 

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