直接労務費差異を分析する

直接労務費差異を分析する

 

直接労務費差異は、詳しく分析すると「賃率差異」と「時間差異」に分けることができます。

 

直接労務費差異 賃率差異
時間差異

 

□賃率差異は、標準賃率と実際賃率から生じる差異です。

□数量差異は、標準直接作業時間と実際直接作業時間から生じる差異です。

 

具体的にみていきましょう。

[資料1]

実際賃率及び実際作業時間ともに標準直接作業時間及標準際直接作業時間を超えた場合。

 

標準賃率  @150円   標準直接作業時間 3,660h

実際賃率  @180円        実際直接作業時間 4,200h

 

賃率差異の計算式

 

(標準賃率―実際賃率)×実際直接作業時間=賃率差異

(@150円―@180円)×4,200kg=△126,000円(不利差異)

 

時間差異の計算式

 

(標準直接作業時間―実際直接作業時間)×標準賃率=時間差異

(3,660h―4,200h)×@150=△81,000円(不利差異)

 

直接労務費差異の分析図

実際賃率 @150円

賃率差異
標準直接労務1 時間差異

標準直接作業時間 3,660h    実際直接作業時間 4,200h

 

[資料1]では、分析図から総額の計算として、

実際投入量  実際賃率@180円×実際直接作業時間 4,200h=756,000円

標準投入量  標準賃率@150円×標準直接作業時間 3,660h=549,000円

 

総額差額  756,000円-549,000円=207,000円

 

原価差異分析

直接労務費差異 △207,000円 賃率差異 △126,000円
時間差異 △81,000円

 

 

[資料2]  実際賃率及び実際直接作業時間が、標準賃率及び実際直接作業時間それぞれ超えた場合と超えなかった場合が混在したケース

 

標準賃率  @150円   標準直接作業時間 3,660h

実際賃率  @180円        実際直接作業時間 3,500h

 

・賃率差異の計算式

 

(標準賃率―実際賃率)×実際直接作業時間=賃率差異

 

(@150円―@180円)×3,500h=△105,000円(不利差異)

 

・時間差異の計算式

 

(標準直接作業時間―実際直接作業時間)×標準賃率=時間差異

 

(3,660h―3,500kg)×@150=24,000円(有利差異)

 

 

直接労務費差異の分析図

実際賃率 @180円

賃率差異
標準直接労務1 時間差異

実際直接作業時間 3,500h  標準直接作業時間 3,660h

 

[資料1]では、分析図から総額の計算として、

実際投入量  実際賃率@180円×実際消費量 3,500h=630,000円

標準投入量  標準賃率@150円×標準消費量 3,660h=549,000円

 

総額差額  630,000円-549,000円=81,000円

 

原価差異分析

直接労務費差異 △81,000円 賃率差異 △105,000円
時間差異 24,000円

 

 

直接原価計算とは何か