
仕訳には、2つの意味がある
仕訳には、おおきく次のような2つの意味があります。
・仕訳とは、「簿記のことば」である
仕訳とは、「勘定科目」を2つ以上組み合わせて、意味を持たせることです。たとえば、「現金」という「勘定科目」が一つだけあったとしても、現金が増えたのか、あるいは減ったのか、何もわかりません。しかし「借入金」という、もう一つの「勘定科目」と組み合わせることで意味が生まれます。これを仕訳(しわけ)といいます。 具体的にみていきましょう。
つぎの仕訳は、「借入金によって、10万円の現金が増えた」ことを意味します。
借方 | 貸方 |
現金 100,000 | 借入金 100,000 |
では、この勘定科目が反対になったとき、どのような意味に変わるでしょうか。
つぎの仕訳は、「借入金によって、10万円の現金が増えた」ことを意味します。
借方 | 貸方 |
借入金 100,000 | 現金 100,000 |
この仕訳によって、「借入金10万円を現金で返済した」という意味になります。
このように一つの「勘定科目」だけでは、わからないことが、もう一つの「勘定科目」と組み合わせることで、意味が生まれます。さらに借方と貸方へ勘定科目が動くことで全く異なる意味にもなります。仕訳とは、「勘定科目」を組み合わせることで生まれる「簿記のことば」なのです。
・仕訳は、取引内容を省略化する
仕訳は、取引内容を省略化して表現します。先の仕訳例でいえば「借入金によって、10万円の現金が増えた」という取引内容を以下の仕訳で、省略化し表現します。
借方 | 貸方 |
現金 100,000 | 借入金 100,000 |
それでは、なぜ、仕訳によって、「簿記のことば」が生まれたり、取引内容の省略化ができるのでしょうか。それは、「仕訳が一定のルール」で成り立っているからなのです。それでは、つぎに仕訳のルールをみていきましょう。